矢沢隆夫です。

「真珠の耳飾りの少女」
という
有名な絵について、
話を続けます。

絵は、
少女が、
こちらを
振り向いている
一瞬をとらえて
描かれています。

額に青い
ターバンを
まとっていて、
左側から
光が当たっています。

一見、
何の変哲もない
かわいらしい少女
の絵。

フェルメールは
どこに
ポイント・・・焦点
を当てて描いている
でしょうか。

眼、鼻、
くちびる、
あるいは、
顔全体、
と普通なら
答えたくなります。

実際に同じ
モデルをもとに
絵を描け、
と言われたら、
まずは、
眼、鼻、口などに
注意がいく
ものです。

フェルメールはどうか。

どこだと思います?

少女の
左の耳につけている、
“真珠の耳飾り“
に焦点を
当てているのです。

へーって思うでしょう。

なんで少女は、
この向きを
向いているのか?

少女がとっている
ポーズに、
絵に向かって
左から光が
当たったときに、
左耳についている
真珠の耳飾りが、
いちばん光るところ(光の粒として)
がこの向きなのです。

ふーん、
って感じですよね。

真珠から
離れるにしたがって、
描写がうっすらと
ぼけてみえる。

下手だからなのでは
ありません。

意図的に
そう描いているのです。

なぜ?

捉えた“一瞬”
を正確に描写
したかったからです。

わかりましたか。

何がなんだか
さっぱり・・・
って方も
いらっしゃると
思います。

言い方を
変えてみます。

この同じ少女を、
左の耳の耳飾り
に焦点を当てて、
写真を撮ると
どういうふうに、
写るでしょうか。

続きは次回です。

ではまた。