矢沢隆夫

このお祭りの
クライマックス、

「火渡りの道」

をいよいよ
歩きます。

まずは、
先輩行者が

祝詞(のりと)を
唱えながら
ゆっくり
歩きます。

私はといえば、

行者として
参加しながらも、
初めてのことなので、

本当に
渡れるのか・・・?

熱すぎて
大やけどするのでは・・・?

などと、
不安が
よぎってきます。

そして
いよいよ
私の番。

祝詞を
唱えてもらいながら、

開き直って、

えい!・・・

と第一歩。

そして二歩、三歩・・・

熱さは・・・
というと、

丁度、
心地いいくらいの
熱さ。

そう、
灰でつくった
「神の道」ですが、

灰の
厚みにより、

熱さが
調節できるのです。

熟練した
先輩行者たちは、

大きな
竹箒で、
灰をかき分けながら、

長年の経験で、
灰に直接触れなくても、

熱さ加減を
調節できるのです。

すっごいなー、
と思いました。

「火渡りの道」を
少し
ほっとしながら、
ゆっくりと、
灰を感じながら
歩きました。

歩きながら、

何とも言えない

「神聖」な

心持ちになりました。

この感覚・・・

「火渡りの道」を
歩いたからゆえに
生じる感覚・・・

不思議な
感覚です。

この状況を

天空から
神様が
じっとみているような
感じにもなりました。

この
「不思議な感覚」を、
毎年、
再確認、
再体験することで、

「生きていることの
奇蹟性」を
感じ、

「ありがたい」気持ちで
これからの人生を歩もうとする
契機になっているのが、

この
八海山大倉口大火渡り祭

なんだろうな・・・

と思いました。

また
行者として
このお祭りに参加しよう・・・

と思いながら、
すがすがしい
気持ちで
八海山を
後にしました。

この項、
今回で
終了です。

ではまた・・・