矢沢隆夫です。

第225回 日本神経学会 
関東甲信越 地方会が
2018年6月2日(土)に、
東京 平河町の
「砂防会館」で
開催されました。

この地方会というのは、
最新の臨床の場での
症例報告に関する
発表の場です。

今回も
中枢神経系の感染・炎症、
末梢神経障害、
血管障害、
神経・筋の変性疾患
など、
種々多様の疾患に関する
症例の報告が
ありました。

その中で、
気になった報告は、

「インフルエンザ脳症」

今期は、
インフルエンザワクチンが
はずれたこともあり、

インフルエンザは、
例年以上に
大流行でした。

新潟県では、
昨年9月にインフルA到来 → 流行

インフルAの流行がやや下火になった
昨年末頃より、インフルB到来 → 流行

インフルBが下火になった今年2月頃に、
今シーズンは、
これでインフルの流行は終わったと思いきや、

下火になっていたインフルAが再流行。

その後、だらだらと、5月半ばくらいまで、
それなりにインフルAが流行ってました。

ワクチンがはずれると、
こんなになっちゃうんだと、
思いつつも、
インフル脳症の状況については
気になっておりました。

予想はしてたものの、
それなりに、
今期、インフル脳症に罹患した
方々の数は
例年より
多かったようです。

インフル脳症といえば、
日本では、
これまで
10歳未満のこどもたちに
多かったのですが、

今回のインフル脳症の
症例は、
49歳女性、50歳女性
でした。

なんとなく
嫌な印象。

小児でもなく、
高齢者でもない。

栄養障害、
ホルモン不全、
運動不足(〜ほどんど運動しない)、
加齢
などから、
免疫力が低下した状態に、

インフルエンザウイルスが
攻撃をしかけものだと
思いました。

このウイルスが人の中枢神経系を
攻撃するときには、
小児もそうなのですが、

両側の視床、脳幹
など、
“生命予後”、
“人間らしさ”
に関わってくる場所を、
わかっているかのように
意図的に
攻撃しているような
印象があります。

こんなところで、

「インフルのウイルスって、
なんていやらしく、また賢いんだろう!」

と、
妙に感心してしまいます。

治療はというと、

血漿交換、
大量ガンマグロブリン療法、 
ステロイドパルスなど、
華々しいことを
しますが、
脳症レベルになると、
全くの惨敗。

インフルエンザ脳症に
関して、
われわれ人類は、
現時点でも、
まったく
歯が立たない状態
なのです。
(自分が医師になった20数年前と
状況は変わってません!)

救いは、
このインフルウイルス、
ビタミンDには、
弱いということが
わかってきてます。

やっぱり
栄養は
大事なのです。

ワクチンを
あまり
当てにできない以上、

インフルに関しても
たとえ
脳症対策であっても、

栄養療法、
そして
運動療法は
大事なんだと、
あらためて
思いました。

来期、
インフルウイルスは、
どんな形で
我々に
しかけてくるか・・・?

ビタミンDを
含めた栄養療法、
とっても
大事ですよ。

ではまた。