矢沢隆夫です。

ほとんどの人が、

桜紅葉(さくらもみじ)・・・何?

ではないでしょうか。

桜に紅葉(もみじ)・・・?

そう、
桜に紅葉(もみじ)なのです。

私も最近まで
知りませんでした。

 

解説しましょう。

アンク会員Fさんが、

朱色の葉を何枚か
持ってきました。

“これ何の葉か、わかりますか?”

“形からして、桜っぽいですけど、
桜の葉はこんな色してませんよね・・・”

“そう、その桜なんですよ・・・”

“桜ですか・・・。この色で・・・”

そこで調べてみると、
次のようなことが
わかりました。

桜の葉は、
秋になると、
色が、
赤や黄色になります。

 

どうしてか・・・?

秋になって、
寒さが到来すると、

葉緑素が消え、
光合成で
葉に蓄えられた糖分が、
紅い色素と結合して、

「アントシアニン色素」

ができます。

これが、
朱色にみえるのです。

では、
葉が
黄色くなるのは、
なぜか・・・?

これは、
緑色の葉緑素が
無くなると、
隠れていた
キサントフィルという
黄色を呈した
カロチノイドが
姿をあらわすからです。

陽にあたる加減によって、
朱色〜黄色の間で、
微妙に発色しているのです。

アントシアニンは、
ポリフェノールであり、

カロチノイドとともに、

フィトケミカルに
属します。

柿のタンニン
(ポリフェノールのひとつです)
のような

防腐作用、
防水作用、
防虫作用、
殺菌作用

桜の葉の
アントシアニン、
キサントフィルにも
あるのでは・・・?

そう
考えた私は、

Fさんに、

“この朱色の桜の葉は、
どれくらい持つんですか・・・?”

とたずねると、

“1年はもちます。1年以上経つと、
捨てちゃうので、
それ以上は、
どれくらいもつか
わかりません”

私は俄然、
興味が出てきました。

柿のタンニンで、
自ら
ミイラと化した
植物学者のことが
頭をよぎり、

“桜の葉のフィトケミカルの作用で、
うまくいけば、
何年ももつかもしれない・・・”

そうです。

「桜紅葉のミイラ化」

早速、
Fさんから、
桜紅葉の
2020年モノと、
2019年モノを
分けていただきました。

毎日、
桜紅葉を
観察することが、
私の日課のひとつになりました。

この桜紅葉が
どれくらいもつか・・・?

密かな楽しみに
なりました。

そして、
桜は、古(いにしえ)より、
たくさんの方々に、
唄や短歌、俳句などに、
唄われたり、
詠まれたりしてきました。

桜紅葉の
短歌、俳句は
あるのかしら・・・?

と思い、
調べてみると、

何と、
あるでは
ありませんか。

その一つをご紹介すると、

「早咲きの得手を桜の紅葉かな」

これは、
江戸中期の俳人である、
内藤丈草
がつくった俳句です。

そこで、
私も一句。

「柿食べて 永遠(とわ)の友なる 桜紅葉」

(柿を食べることで、桜紅葉とともに
ミイラと化して、永遠の友として、
一緒に過ごせることよ・・・)