矢沢隆夫です。

2020年11月15日(日)
新潟市新津美術館で
開催されている

ミイラ展・・・「永遠の命」を求めて

に行ってきました。

それなりの
ワクワク感をもって
観に行きましたが、

予想を超えて、
驚くべき事が満載で、
かつ、
とっても
勉強にもなりました。

私は、
この美術館に行く前までは、

ミイラ

といえば、

エジプト

そして、

エジプトが

世界で一番メジャーな

ミイラ保有国

とばかり思ってました。

が、そうではないのです。

ミイラは、

人工的に、あるいは、
自然環境の不思議な偶然
のたまものとして、

世界中に存在していたのです。

一番古いものは、
南米、
そして
エジプトが
それに続きます。

ミイラ展では、

さらに、
ヨーロッパ、
アジア
のミイラも
紹介しております。

自然環境の偶発の連続によって
結果的にできた
「自然ミイラ」は、

奇蹟としかいいようがありません。

世界中で造られた
「人工ミイラ」は、

現在のような国際交流もない、
大昔に、
各地域が、
それぞれ工夫して
保存技術を駆使しながら、
「生命への尊厳」の表象として
造られたのでした。

そして、
私が今回の展示で
もっとも
感動したのは、

日本のミイラ

です。

日本の植物学者
で、
自らを
ミイラ化する実験を
試み、
それに成功した方が
いたのです。

どうやって
ミイラ化したと思いますか・・・?

ヒントは、
彼が
植物学者
であることです。

答えは、
柿の種子
(お菓子の柿の種ではありません。)

を使ったのです。

恐らく、
亡くなる
何日か前からは、

柿の種子のみ

しか食べなかった
思われます。

柿の種子を
食べながら、

「即身仏」

として

亡くなったのです。

身体は、
脳も含めて
きれいに現在も
残っています。

ただ
このミイラの
特徴のひとつは、

柿色

をしています。

柿の種子に
含まれる

タンニン

の色です。

タンニンは、
ポリフェノールのひとつであり、

防腐効果、
防水効果、
防虫効果、
殺菌作用

があります。

実際、
この植物学者の
全身CTを
撮ってみると、

消化管を中心に、
ほぼ全身に、

柿のタンニンが
散在している
所見が
得られたのです。

タンニンの効果
もすごいですが、

その効果を知っており、
その知識を利用して、
自らミイラと化した
植物学者も
すばらしいですよね・・・!

自分にも
できそうな気がして

神様から
お迎えが来そうになった時には、
柿の種子を
ひたすら
食べて、
ミイラになろうか・・・

とカミさんに
言ったところ、

“そのミイラの維持に手間ひま、お金が
かかり、後世の人が大変だから、
やめてください”

と言われてしまいました。

さらに感動したことを
もう一つ。

ミイラ学者とも
言われた
小片 保 先生

は何と、新潟大学医学部の
教授でした。

ミイラの大家が
新潟にいるのか・・・

と感慨深いものがありました。

小片先生
は、新潟大学医学部を
卒業されて、
医師になってからも

ミイラ研究への夢を
断ち切れず、

東京大学に
再入学され、ミイラ研究の
道も極めることになったのです・・・

今回の
ミイラ展・・・

私にとって
本当に
実り多いものとなりました。

なお、
この展示会は、
開催期間が

2020年12月27日まで、
延期になったようです。

ご興味のある方は、
足を運んでみてください・・・