矢沢隆夫です。

花粉症の70%は、
スギ花粉症。

5人に1人が
スギ花粉症になっておりますが、
5人に4人はスギ花粉症に
なってないのです。

花粉症になる人と、
ならない人は、
何がちがうのか?

いくつかあります。

1)スギ花粉の飛散量は、
  場所によって異なる

戦後の
スギの
植林事業により、
スギ花粉の飛散する
量は、
拡大してきました。

それに伴い、
人体が、
スギ花粉に
暴露される量も
増えてきました。

が、この暴露される量は、
均一ではなく、
場所によって
ちがっているのです。

2)スギ花粉に暴露される期間、
  時間は、人によって異なる

スギ花粉に
暴露されるたびに、
抗体をつくる
リンパ球由来の
細胞
(形質細胞といいます)
がつくられます。

この細胞には、
4〜5年くらい
生きるものもいて、
スギ花粉による
暴露が重なると、
形質細胞の
数もどんどん
増えて、
その結果、
IgE抗体の
数もふえ、
それが、
花粉症発症に
つながるのです。

だれが、
いつ、
どれくらいの
花粉を浴びたかなんて
わかりませんよね。

“今日は、
たくさんの
花粉を10時間も
浴びたよ!”

なんて、聞いたこと
ないですよね。

現実的には、
すべての人が、

同じ花粉量を
同じだけ
浴びている、

ということは、
まず
ありえません。

当然、あびる
花粉の量や、時間、期間は
人によって
さまざまなのです。

3)遺伝的な素因

アレルギー症状の
直接的な仕掛け人は、
IgE抗体。

この抗体、
実はもともと、
寄生虫に対する
免疫システムとして
発達してきたと、
考えられています。

遺伝的に
このシステムが
強くなっている
人たちがいます。

かれらは、
IgE抗体を
つくりやすく、
今の時代には、
それを、
“アトピー体質”
とよびますが、

その昔、
寄生虫が
(この言い方も
虫さんには大変、
失礼ですよね!)

今よりももっと勢力が
あった頃には、

この寄生虫に打ち勝つ
免疫システムが
必要だったのです。

そして
この免疫システムを
獲得した、
すぐれた個体が
登場しました。

かれらは、
いままで持たなかった
免疫システムを
獲得したことで、
より“進化した”
個体だったのです。

寄生虫が激減していくなかで、
その免疫システムは
どうなったか?

免疫システムが
作動する
ターゲットを、
寄生虫から、
花粉等に変えて
いったのです。

人の脳の
認識においては、
寄生虫と、
花粉は、
“同体”、あるいは、
“同レベル”
ということなのでしょう。

おもしろいですよね。
免疫システムと、
それをあやつっている
脳のシステムって・・・

花粉症になる人、
ならない人の
ちがい、
もう少し
ありますが、

続きは
次回にします。

ではまた。