矢沢隆夫です。
「真珠の耳飾りの少女」
この謎めいた少女の絵は、
たかおクリニック
(もちろん、レプリカ・・
リ・クリエイトです。)
にもあります。
この絵も
何十回、何百回観ても
まったく飽きません。
観るたびに、
引き込まれます。
この少女を
真珠の耳飾りに
焦点をあてて、
写真を撮ると、
どうなるか?
カメラの目で
みたときに
どうなるか、
ということです。
当然、
耳飾りに焦点を
合わせるので、
耳飾りが
一番くっきりと
写るのです。
そしてです。
耳飾りから
離れるほど、
すこしずつぼやけて
写ります。
人間の目の
視覚認識も
実はこれと
同じです。
ひとつの特定のものに
焦点を合わせる・・・・
意識して観る・・・・
と、その周辺は
実はぼやけてみえる
のです。
その一瞬の
視覚認識によって
観えた対象を
絵にしたのが、
フェルメールの絵
なのです。
すばらしいと思いません!
いわゆる
正確な精緻な
写実的な絵というのは、
絵全部が、細かく
実写のように
描かれているものがほんどだと
思いますが、
人間の視覚認識は
実は
そうではありません。
観ている対象が
全部くっきりはっきり
認識できるというのは、
いろんなところに焦点を
合わせたときに観える
認識による「残像」
を重ね合わせてできる
ものなのです。
フェルメールは
それに
350年前に
気づいた・・・・
すごいことだと思います。
なので、
フェルメールの絵は、
周囲がわりと
大雑把に描かれているのは、
いい加減なのではなく、
疲れて描いたからでもなく、
まさに
「正確な認識にもとづいた
一瞬」
を正確に描写した
結果なのです。
物理学的な
「カメラの焦点」的な
捉え方と
同じように
脳では、
視覚認知されるのです。
フェルメールの絵の
うまさもさることながら、
「光の粒子性」や、
「人間の視覚認知」に
気づいたフェルメールって
ほんとうに
すばらしいと思います。
画家でありながら、
物理学的な視点、
脳科学的な視点を
持ち合わせているのです。
私がフェルメールが
大好きな理由はまさに
ここなのです。
さて話は少し脱線しますが、
「真珠の耳飾りの少女」は、
「青いターバンの少女」
とも言われます。
この絵の青いターバン、
何で描かれていると
思いますか?
続きは
次回です。
ではまた。