さて、今回は、「鉄」の話の続きです。

ヘモグロビンというのは、
少なくなると、
貯蔵されている鉄が、
それを補給してくれる
しくみがあるのです。

貯蔵されている鉄のことを
“フェリチン”といいます。

分子栄養療法では、
貧血や、鉄代謝を
評価するときに、
フェリチンに着目します。

ヘモグロビンが
満タンでも、
フェリチンが減少してしまうと、
人間の体は、
“鉄欠乏”になり、
さまざまなサインを
だすのです。

せっかく体や心が、
フェリチン不足からくる、
さまざまなサインを
出していても、
医療スタッフ側が
それを評価できないと、
“不定愁訴”として、
けむたがられてしまいます。

本当は、
“不定の”愁訴じゃないのにです。

しまいには、
“あなたはどこも
悪くはないのです。
気持ちの問題ですよ”
なんて、適当に
あしらわれてしまいます。

困りますよね。
医療側がこんな対応しか
できないなんて。

話をもどしましょう。

ヘモグロビンの数値を
みただけではわからない、
“潜在性の貧血”が、
多くのこどもたちの
身体に生じているのです。

新生児の場合、
フェリチン不足だと、
表情に乏しく、
あまり笑わなかったり、
夜泣きが激しかったり、
いつもグズグズ言って
お母さんたちを、
困らせてしまいます。

学童期になれば、
朝起きられらない、
から始まって、
授業についていけない、
集中力がない、
落ち着きがない、
イライラしやすく、
キレやすい、
などの“問題行動”を、
起こしやすくなります。

なかには、
「昔は、
とっても優しい子だったのに、
中学に入ったら、
急に攻撃的になった」
っていうケースも
少なくありません。

決して性格が変わった
わけではありません。
鉄欠乏、フェリチン欠乏
が原因なのです。

女の子なら
生理が原因のこともあるし、
勉強やスポーツなどの
ストレスで、
鉄分が消耗したことが
原因ということもあるのです。

どうですか。
たかが“鉄”、
されど“鉄”でしょう。

続きは次回にします。

ではまた。